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スミレ科Violaceae(3)

 前回のWikipediaの23属それ自体にも問題があります。Hymenantherinae亜連に2つの属が含まれていますが、そのうちの一つ Hymenanthera属をクリックしてみますと、なんともう一方のMelicytus属のsynonymにされているのです。この両属は共にオースト ラリア・ニュージーランドあたりに分布していますので、いままで細分化されていたものが、他の属同士の分化レベルに統一されたのかもしれませんが、私には 善し悪しは全く分かりませんので、元のままとして各属についての理解を深めたいと思います。

 一覧表に簡単な分布域を書きましたが、もう少し詳しい分布を見てみたいと思います。以下の2つのサイトを参照してまとめた分布図を作ってみました。

 1つはTropicos。 世界の植物園で3指に入るといわれるアメリカのMissouri Botanical Gardenが運営するサイト。400万点の標本を持ち、それらの詳細なデータを公開しています。種名や属名で検索するとその分布地図も見ることが出来ます。Tropicosのすばらしい点は、120万以上の学名のデータベースにそれが掲載されている厖大な文献のデータも入っていて、しかも古いものはその 文献そのものにリンクがつけられているところです。もう1つはGBIF。コペン ハーゲンに本部のある地球規模生物多様性情報機構Global Biodiversity Information Facilityの略。世界各国の博物館などが標本データや観測データなどを位置情報をつけて一定のフォーマットで入力した情報を統合したデータベースを管理し一般に公開しています。(今回参照するに当って2つの属でそれぞれ1ヶ所ずつ、飛び離れたデータを疑問に思い分布域から除きました。)例として各1図ずつ引用させてもらいます。

 TropicosによるCorynostylis属の分布図。

  GBIFによるCorynostylis属の分布図。

 Fusispermoideae亜科Fusispermum属、Leonioideae亜科Leonia属、Rinoreeae連Hymenantherinae亜連の2属Hymenanthera属とMelicytus属、Isodendriinae亜連Isodendrion 属、Paypayrolinae亜連の3属Amphirrhox属とHekkingia属及びPaypayrola属の分布図。1_2

 Rinoreeae連Rinoreinae亜連の5属Allexis属Decorsella属Gloeospermum属Rinorea属そしてRinoreocarpus属の分布図。

2_2

 Violoideae亜科Violeae連のAgatea属とHybanthus属の分布図。3

 Violoideae亜科Violeae連の残り8属の内、Viola属を除くAnchietea属Corynostylis属Hybanthopsis属Mayanaea属Noisettia属Orthion属及びSchweiggeria属の分布図。4

 最後にViola属だけが残りましたが、TropicosでもGBIFでも大きく抜け落ちている地域があって分布図が描けません。 橋本保さんの「日本のスミレ」によれば、「スミレ科を1種も産しない国はおそらくクエートだけでしょう。」といいますので、上のような世界地図に分布図を描けば、おそらくグリーンランドや南極以外のほとんどの地域を取り囲むことになると思われます。上記の22属との大きな違いは北米やユーラシア大陸の温帯地方に大々的に進出していることだと思います。

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