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スミレの閉鎖花(22) フチゲオオバキスミレ(1)

 今回はいよいよフチゲオオバキスミレV. brevistipulata var. ciliataの話なのですが、これが私にとってスミレの閉鎖花コースのメインディッシュなので少しずつ写真を選びながら、それを見て考えるというスタイルで何回かに分けて提示したいと思います。もうずいぶん前に鉢植えの地上部は全て枯れ落ち、また顕微鏡導入も遅く、当初は観察スタイルも定まらず、結局フチゲオオバキスミレの開放花の解剖連続写真は撮らずに終わってしまいました。そこで閉鎖花と開放花の違いについて、まず半割写真で分かる事から見て行きたいと思います。

 写真 1.と 2.が同じ花というように、以下2枚ずつの写真がセットになって、写真 6.までが開放花。写真 7.〜10.までが閉鎖花です。

Img_1247 写真 1.

Img_1255 写真 2.

Img_1530 写真 3.

Img_1531 写真 4.

Img_1695_2 写真 5.

Img_1697 写真 6.

Img_1525 写真 7.

Img_1527 写真 8.

Img_1596_2 写真 9.

Img_1598 写真 10.

 これだけの写真でも開放花と閉鎖花では構造が相当違っていることが分かります。まず開放花では雌蘂が雄蕊群より長く伸びて葯隔付属物より先に出ていることが挙げられます。雌蘂の形も異なっています。開放花では当然ながら図鑑で見慣れた形をしていて柱頭の側方には短い毛もあります。それに対して閉鎖花ではタチツボスミレ系の閉鎖花にも似た?形で柱頭口が子房の方を向いています。柱頭側方の毛も見えません。開放花では唇弁の短い距、葯の距も見えていますが、閉鎖花では写真のようにやや唇弁にふくらみは出ますがそれ以上発達しません。葯の長さも開放花では2mm近くあるのに対して、閉鎖花では1mm程度しかありません。花糸も閉鎖花の方が長く、開放花では葯隔付属物の色づきが遅く、葯の裂開も遅いのに対して、閉鎖花では写真 8.のように一部の花粉はすでに柱頭口に付着しています。全体としてフチゲオオバキスミレの閉鎖花の構造は先に提示した有茎各種の閉鎖花のそれと似たものになっていると言えます。なお写真 2.で雌蘂の上方に見えている花粉のようなものは側花弁の毛です。


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