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スミレの閉鎖花(20) ナガハシスミレ

 鉢植えのナガハシスミレV. rostrata var. japonicaの閉鎖花。とても特徴的な姿をしています。写真 1.〜3.と写真 4.〜6.が連続写真。

Img_1942 写真 1.

Img_1943 写真 2.

Img_1944 写真 3.

Img_1948_2 写真 4.

Img_1950 写真 5.

Img_1953_2 写真 6.

 良く見えない写真もありますが、花弁は5枚あります。2枚はやや大きく、3枚はより小さい。雄蕊は発達したものが5個揃っています。ただ写真 6.では雄蕊の1個が針の弾力でどこかに飛んでしまって行方不明になっています。葯は無茎の各種のものよりも細長い繭形になっています。葯隔及び付属物は幅広く大きい。花柱もやはり無茎種と違って疑問符のような形に屈曲しています。
 写真 3.で葯が皆、繭の横腹が裂けるように縦に裂開しているのが見えます。佐竹・伊藤「日本産スミレ属の分類学的研究 1.閉鎖花について」ではこのことについて次のように書かれています。有茎種の開花について述べた部分で「第一の段階では花柱が屈曲してまだ距の生じない時期であるが、柱頭は肥大膨張し、葯のいくつかは縦に裂開している。葯は開花では縦に裂開するし、閉花では柱頭に密着している上端の部分が破れるので、この場合は開花であることが明らかである。(中略)有茎種では、筆者等のいままで観察したかぎりでは、葯が裂開する仕方の相違以外に(幼い時期に)、開花、閉花をみわける方法はないようである。」と書かれています。
 しかし、私の観察ではこのナガハシスミレとオオタチツボスミレ、そして黄花系のスミレ類の閉鎖花の葯は縦に裂開しています。オオバタチツボスミレ・ニョイスミレ・イソスミレでは明瞭な写真が撮れず、エゾノタチツボスミレ・アイヌタチツボスミレは解剖写真を撮るための閉鎖花が入手出来ませんでしたので、全く観察不足なのですが、少なくとも閉鎖花でも、有茎種の一部では葯の縦裂開が行われているようです。毎日栽培棚を観察しているのですが、ここ数日解剖可能な閉鎖花が出来てきません。だんだん観察種が限られてきました。来年はこの点についてさらに注意深く観察をしてゆきたいと思っています。

 半割写真。

Img_1753 写真 7.

 鉢植えの閉鎖花と閉鎖果。

Imgp7256 写真 8.

 開放花由来の果実。ちょっと無理をして過去の写真からトリミングしました。

Img_1755 写真 9.


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