スミレの閉鎖花(16) アメリカスミレサイシン
栽培中のアメリカスミレサイシンV. sororiaの閉鎖花。写真 1.〜3.は受粉の終わっていたもの、写真 4.〜6.は葯が裂開前のものでした。
これで無茎種を12種とりあげました。開放花では柱頭の形が検索の重要な指標にもなっているのですが、閉鎖花においては、開放花の柱頭の形と全く異なっていてしかもどれもこれも良く似ています。佐竹・伊藤論文でも10数種類の無茎種の閉鎖花の解剖図が描かれていますがこれもまた同じように良く似ています。
一つだけ図を引用させてもらいます。羽後乳頭山のスミレサイシンの図です。
閉鎖花の半割り写真。
閉鎖果と閉鎖花(左下に半分写っています)。
下の写真は2012年10月20日に近くの防風林で写したもの。いつ雪が降ってもおかしくない時期なのに、葉っぱは青々として、閉鎖果をたくさんつけています。また、我が家でも栽培棚から飛び出して軒下に芽を出したスミレたちのうち、今の時期最も成長が大きく、数の多かったものがこのスミレでした。そのほとんどが花を咲かせることなく、閉鎖花だけをたくさんつけ、まだこれからもタネを飛ばそうとしています。その旺盛な繁殖力には驚かされます。防風林を見ても鬱閉した森の中では生育地はなかなか広がりませんが、常時攪乱されている庭地などでは一度導入すると手を焼く事になりかねません。
これで無茎種はおしまいです。次回からは有茎種の閉鎖花をとりあげます。
いままで撮った写真は種名を入れただけでほったらかしのままでした。その中から1種ずつ検索して書きながら勉強するという泥縄式ブログですのではたしてどうなりますことやら。
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