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スミレの閉鎖花(4)

 佐竹義輔・伊藤栄子「日本産スミレ属の分類学的研究」は今から約50年前1964年の第1報から第4報まで3年にわたって発表されたもので、全部で68ページにもなるものです。第1報の副題は 1. 閉鎖花について、以下 2. 無茎群の開花について、3. 有茎群の開花について、4. 有茎群の開花について(2)となっています。この副題の「閉鎖花」がデータベースに登録されていればこんなに回り道をせずとも済んだのですが。またこの全4報は40数種類の日本産スミレ属の柱頭形態の違いなどを記述して、この後のスミレ属の研究に大いに影響を与えたであろうと思われるのですが、不思議な事に調べて見たどの図鑑や本にも引用されていませんでした。

 論文全体として無茎種と有茎種とを分けて、その閉鎖花と開放花の雌蘂、雄蕊及び花粉、花弁などの形態を詳しく観察し記載しています。第1報の「閉鎖花について」でも無茎種と有茎種とを分けて論じています。第2報以降の副題の「開花」というのは開放花のことで、そこではその蕾の状態から全開まで何段階かに分けてその形態を記載している種もあり、閉鎖花との比較がとても興味深いものになっています。図と写真を多用してそれぞれの種について非常に詳しく論じていますので、何回か通読しましたが、それではとても理解が深まりません。
 ようやくにして探し当てた日本産スミレ属の閉鎖花の形態に関する論文なのですから、これはもう一つ一つ自分でメモをとりながら確認して行かなければ意味がないと思いました。そんなわけで2年半ぶりにこのブログを再開して、勉強しながらそのメモを発信して行こうと思いついた次第です。

 私はようやくこの夏から閉鎖花を顕微鏡下で解剖してその写真を撮り始めました。顕微鏡が高価なので大蔵大臣の許可が出なくて、ようやくこの夏に中古を手に入れたのです。今までが20倍のニコンファーブルでしたから60倍ズームの実体顕微鏡は夢のような世界です。
 蛍光リングライトが付いていますがかなり暗いのでLEDの懐中電灯を2方向から当てて光量を補うと共に、ピント範囲が狭いのでその影を使ってなんとか立体感を出すように工夫しています。写真はiPhone5を接眼レンズに当てて撮影するコリメート法で行っています。肉眼で見ながら2本の解剖針で形を整え、すばやくカメラをセットするための簡単な道具を手作りしました。解剖針は普通の縫針ですが、釣り針を研ぐシャープナーで先を鋭く尖らせています。こんなことも観察を始めてから試行錯誤しつつ行っていますので、最初の頃と最近とでは写真の出来が全く違っています。
 すべてはもっと早くから始めていれば良かった、開放花の蕾からやっていれば良かったと後悔していますが、まずは主に自宅で栽培中の30種類ほどの閉鎖花から、写真を添えてこの論文をもとに考えた事をメモするというスタイルで次回からやってゆこうと思います。

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