東京大学総合研究博物館
今日は東京大学総合研究博物館を訪れてみます。
東京大学総合研究博物館植物部門データベースには6つのデータベースが提示され、そのうち植物標本関係は以下の4つです。
○植物タイプ標本データベースType Collection Database
○森林植物 Database on Forest Botany section
現在のところシダ植物のみの標本、画像の解像度は低く細部まで見ることは出来ません。
○シーボルト植物標本Von Siebold's Plant Collection
全部で447点ありますが、Violaはありません。画像の解像度は2種類あり細部まではっきり確認することが出来ます。オランダのライデン大学などから里帰りしたものであることが標本のラベルなどから読み取れます。
○ネパール産植物標本 Flara of Nepal Database
VIolaで検索すると21種、標本数で200位出てきます。標本画像はそのうちの一部61点が用意されています。Viola biflora L. などを見ると画像解像度はすばらしく、まるで目の前にその標本があるように見えます。
いよいよ本命の植物タイプ標本データベースを開いてみます。
ここで検索。全部で2943点あります。まだ少数の科しか用意されてはいないようです。
Violaで検索すると436点がヒット。7〜8割は画像が用意されています。拡大可能で解像度はとても良い。
北海道関係は23点、このなかで画像があるのは以下の11種類。
Viola alliariifolia Nakai(Viola glabella Nutt. var. renifolia Koidz.)
Viola crassa Makino subsp. borealis Hid. Takah.
Viola hidakana Nakai
Viola kusanoana Makino var. brevicalcarata H. Hara
Viola miyabei Makino
Viola sacchalinensis H. Boissieu var. alpina H. Hara
Viola selkirkii Pursh ex Goldie var. variegata Nakai
Viola selkirkii Pursh ex Goldie var. variegata Nakai
Viola tokubuchiana Makino
Viola venusta Nakai
Viola yubariana Nakai(Viola glabella Nutt. var. crassifolia Koidz.)
このうちViola yubariana Nakai(Viola glabella Nutt. var. crassifolia Koidz.)シソバキスミレのHolotypeで1916年小泉秀雄氏が夕張岳で採集したもの。
Viola hidakana NakaiエゾキスミレのHolotypeは宮部金吾博士が道東採集旅行のおり1884年6月20日日高幌泉で採集したもの。博士弱冠24歳でした。
最初Viola uniflora L. var. capsula glabraとされていたものを中井猛之進博士がViola hidakana Nakaiキスミレと命名したことが読み取れます。その後エゾキスミレに変更されることになりますがこのあたりの事情については植物学雑誌36、中井猛之進「すみれ雑記」(1922年)に詳しい。
Viola miyabei MakinoサクラスミレのLectotype これも同じ採集旅行で1884年6月9日宮部金吾博士が札幌から千歳に向かう途中の大曲で採集したもの。
Viola brevistipulata関係では3種類・12点がヒットしますが、どれもまだ画像がありません。
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