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BerkeleyMapper

Arctos

 Arctos といえば北米に棲むグリズリーの種小名ですが、そのような愛称の動植物のマルチコレクションデータベースがアラスカ大学博物館 University of Alaska Museumとウェスタンニューメキシコ大学博物館 Western New Mexico University Museumなどの合同データベースとして公開されています。
 ここで標本検索が出来ます。
Violaでは1022 recordsがHitし、その全てに標本画像が付属します。画像の解像度はすばらしく、実物の1.7倍ほどに拡大されて細部まではっきりと見ることが出来ます。
 アラスカ地方で採集されたものが多いので、種数としてはそれほど多くはありません。例えばViola langsdorffii はそのうち239 recordsを占めています。

 しかしこのデータベースのすばらしいところは、そのほとんどが採集場所の位置情報を持っていて、BerkeleyMapperというソフトによってGoogle Mapsの上に1点ごと、または種ごとの分布ポイントを示してくれることです。Map Window Size も変えられるので、ディスプレイに Google Mapsを拡大し、地形表示にして分布地図を眺めていますとベーリング海に花づなのように並んだアリューシャン列島に途切れなく採集地が並び、その先のカムチャッカ半島を経て、北海道へと繋がっているのだなということをまざまざと実感させてくれます。
 しかもこの分布地図はただの地図ではありません。その一つ一つの分布ポイントをどんどん拡大してゆきますと例えばアッツ島の二つの採集地点のうちの一つは航空写真から Navy Townの飛行場の空港施設から続く小道の脇20mほどの所だということが読み取れるのです。
 アッツ島と言えば戦争でたくさんの人の命が失われたことが思い起こされます。インターネットもGPSも戦争から生まれたものですが、愚かな戦争が一日も早くなくなることを願います。

Consortium of California Herbaria

 カリフォルニア州全体を網羅する植物標本データベース。California Academy of Sciences や University of California, Berkeley など現在16の機関が参加していて、110万以上の標本情報を単一のインターフェイスの元に閲覧することが出来ます。ただし標本画像は探索しても出てこないので用意されてはいないようです。

 ここで検索。Violaceaeで 77 recordsがリストアップされますので、とりあえず Viola glabellaを見てみます。実はこれもオオバキスミレの遠い親戚に当たるのです。233 records あります。このうち131 recordsが位置情報を持っていて、本家本元の BerkeleyMapperによってワンクリックで地図上にマッピングできます。
 さらにこのデータベースのすごいところは More information: Jepson Online Interchangeです。

The International Plant Names Index (IPNI)
Global Biodiversity Information Facility (GBIF)
Kew Bibliographic Database (KBD)
アメリカ農務省 (USDA)National Resources Conservation Service (NRCS)
The Biota of North America Program (BONAP)
Taxonomic information from the Missouri Botanical Garden (Tropicos)
University of California, Berkeley Cal Photos images (CalPhotos)
Type specimen data from various herbaria
Jepson's "A Flora of California"
Treatment and bioregional map from The Jepson Manual

などといったそのどれ一つをとっても強力なデータベースのリンク集になっているのですが、ただのリンク集ではなく Viola glabellaという種名で検索した結果へのリンク集になっているのです。CalPhotosでは38点の Viola glabellaの写真が出てきますし、Wi. L. Jepson著「A flora of California」の該当ページ imageが出てくるという仕掛けになっているのです。
アメリカ農務省のNRCSや、ミズーリ植物園のTropicos、BONAPの分布図などを見ていますと、アメリカの底力、わが日本の状況とのあまりの落差にため息が出てきます。

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