北海道の高山植物と山草
北海道の高山植物と山草
著者 伊藤浩司
写真 梅沢俊
発売元 誠文堂新光社(1981年)
誠文堂新光社の「ガーデンライフ」別冊。前半が図鑑、後半は解説、北海道の植物、分類のむずかしい植物の見分け方、徹底したい自然保護について書かれています。
写真が載せられているスミレの種類は以下の通りです。
キバナノコマノツメ、エゾタカネスミレ、ジンヨウキスミレ、シレトコスミレ、シソバキスミレ、オオバキスミレ、フギレオオバキスミレ、エゾキスミレ、ケエゾキスミレ、フギレキスミレ、アナマスミレ、シロスミレ、ウスバスミレ、チシマウスバスミレ、タニマスミレ、エゾヒナスミレ、ヒカゲスミレ、シロバナミヤマスミレ、ミヤマスミレ、フイリミヤマスミレ、サクラスミレ、マルバスミレ、スミレサイシン、アケボノスミレ、アカネスミレ、アイヌタチツボスミレ、タチツボスミレ、アポイタチツボスミレ、エゾノタチツボスミレ、オオバタチツボスミレ、アギスミレ、オオタチツボスミレ
このうちアポイ岳産マルバスミレの説明文はエゾアオイスミレとなっていて写真と異なります。エゾヒナスミレはヒナスミレの小型変種。アナマスミレはスミレの海岸型変種。アギスミレはニョイスミレの湿原型変種です。
これらの写真の中で、最も大きく扱われているのが、日高山地の沢で撮られたキバナノコマノツメ。あまり陽が当たらず、飛沫の湿気が常にあってコケの生えた斜面という、その雰囲気が素敵な写真です。表紙にも使われたソラチコザクラ、エゾオオサクラソウ、ミヤマダイコンソウの写真などが皆同じような雰囲気のところで撮られていて眼を引きます。
日高の沢のキバナノコマノツメというと思い出します。今から10年前の7月、山の友二人と日高の山を目指したことがありました。車で標高1100メートルあたりの沢との出会いまで来てキャンプです。テントを設営し終えてまだ夕食には間があったので沢の入り口まで散策してみました。何の変哲もないただの林道と見えたのに道の脇には高山植物がいっぱいです。ヒダカキンバイソウ(当時はシナノキンバイと思っていました)や、ヨツバシオガマ、ウコンウツギなどなど。そしてもっと地面に近い所にはキバナノコマノツメがたくさん咲いていたのです。沢は意外な高山植物を低標高まで下降させることがありますが、車を降りた所が高山植物だらけだったというのはさすがに日高ならではだなーと感心したことを、その時のキバナノコマノツメとともに鮮明に覚えています。
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