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日本の野生植物

Book Yasei_1

 日本の野生植物〈草本 2〉離弁花類 (1982年)
 

著者:佐竹義輔・大井次三郎・北村四郎

   亘理俊次・富成忠夫

出版元:平凡社

 植物分類学の英知を集め、10年の歳月をかけて出版された植物図鑑です。全国を網羅したカラー写真による野生草本植物の図鑑としては日本で初めてのものです。
 もう刊行後25年もたっていますが、これに替わるものなく、未だに大きな本屋の棚には鎮座しています。
 属の検索表・種への検索表・記載・写真と、図鑑に求められる全ての要件を満たしたこのような重厚な本は、これからも当分現れないのではないでしょうか。

 北海道内で写真が写されたスミレは以下の14種類。
タニマスミレ、チシマウスバスミレ、ウスバスミレ、エゾノアオイスミレ、オオタチツボスミレ、アイヌタチツボスミレ、アポイタチツボスミレ、タカネスミレ(エゾタカネスミレ)、シレトコスミレ、オオバタチツボスミレ、フギレオオバキスミレ、エゾキスミレ、シソバキスミレ、ジンヨウキスミレ。
 このうち11種類を梅沢俊氏が撮っています。氏が本格的に北海道の植物の写真を撮り始めたのは、平凡社のこの図鑑用の写真を依頼されたのがきっかけだったということです。
 全ての写真に撮影者、撮影日、撮影場所が記されているのを良いことに、私は梅沢俊氏の足跡を10年分の地図を用意して跡づけたことがありました。一つの矛盾もなく線が繋がったことに舌を巻きました。それほどこの図鑑の記述が正確だと言うことの証でした。

 残念ながら、アポイ岳で撮られたエゾノアオイスミレの写真はマルバスミレです。当時。北海道にマルバスミレが生育しているということは知られていませんでしたし、マルバスミレには毛のあるのが普通でケマルバスミレと呼ばれていました。また、エゾノアオイスミレの別名はマルバケスミレと呼ばれていてこちらの方が一般的な呼び名でした。良く似ていてどこかで混同が起こってしまったものなのでしょう。
 北海道のスミレについては(北海道とかスミレとかに限ったことではないでしょうが)まだまだ分かっていないことがたくさんあるように思います。

 

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