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北海道 山歩き花めぐり

北海道 山歩き花めぐり Book 北海道 山歩き花めぐり

著者:梅沢 俊
販売元:北海道新聞社
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 1999年春から約2年間北海道新聞に連載された記事に、写真と文を増やして一冊にまとめたものです。
 一つ一つの山を章題として、その山で見られるちょっと珍しい花などを肴にした肩の凝らないエッセイ集といったところでしょうか。花を見ながら歩いているうちにいつのまにか山頂へ着いてしまった、そんな山登りが好きな私にとって願ってもない本の一つです。

 うれしいことにこの本にはずいぶんたくさんのスミレが登場します。
 写真が載せられているものだけを抜き出してみます。
アオイスミレ、タチツボスミレ、ナガハシスミレ、ニオイタチツボスミレ、アケボノスミレ、ミヤマキスミレ、フギレオオバキスミレ、アポイタチツボスミレ、スミレサイシン、オトメスミレサイシン、タニマスミレ、ジンヨウキスミレ、シレトコスミレ、タカネタチツボスミレ。

 このうちミヤマキスミレというのはオオバキスミレの葉が輪生するタイプのこと。オトメスミレサイシンというのはスミレサイシンの白花なのだけれども距の先に赤みが残る品種のことです。

 フギレオオバキスミレの写真は積丹半島のわりと先端部の方で撮られたものです。ニセコや狩場山地の写真ならば良く見ますが、積丹のものは珍しいと思います。立体感あふれる写真で、葉のギザギザがとても深いのが特徴です。同じフギレオオバキスミレでも「日本のスミレ」と大分印象が違います。

 上記14種類のなかで最後のタカネタチツボスミレだけはカナダのアンカレジ近くのアリエスカで撮られたもの。この本は2001年の出版ですからまだオオバタチツボスミレと別種とはされていなかった時のもので、正確に引用すれば「オオバタチツボスミレもあった。丈が低く、タカネタチツボスミレのタイプだ」とキャップションが付されています。

 2004年発行の「増補改訂 日本のスミレ」によれば、この二種類は花や葉の良く似た別種であって、良い識別点は側萼片の付属体がオオバタチツボスミレでは方形に飛び出すのに対して、タカネタチツボスミレのほうは付属体が不明瞭でふちが円形な点とされています。

 このアリエスカのタカネタチツボスミレは一つの株に12も花が咲く見事な写真で、そのうち4つは萼片の形がはっきり分かります。どれもつるっとした円形でまさしく知床のタカネタチツボスミレに連なるものと理解できました。

知床のタカネタチツボスミレについては浅沼孝夫さんの良い写真が公開されています。
オオバタチツボスミレについても同じく浅沼孝夫さんの知床の写真があります。

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