スミレ讃歌
新井二郎写真集
講談社 1998年
この写真集は私の好きな本のなかでもかなり上位に入る本です。
とにかく写真がうまい。写されているスミレ達と意思疎通が出来ているのではないかと思われるくらい見事にスミレの“心”が表現されています。
たぶん私がスミレを写そうとする時、いろいろ試すアングルは無意識のうちに新井さんの真似になっていることも多いと思う。木の股に生えたタチツボスミレなどはほれぼれする写真で、いつのまにか、山に遊びに行ってスミレを探す時木の股まで探すくせがついてしまいました。
新井二郎さんは東京都高尾自然科学博物館の学芸員をされていて、この本で紹介されているスミレたちもその高尾山のものが多い。
その新井さんが北海道大雪山に遠征して、同じ日に二種類の北海道特産種の写真をゲットして行かれていることがこの本からわかります。エゾタカネスミレとジンヨウキスミレです。
二種とも黄色い花のスミレということが示していますように実は北海道は黄花系のスミレの宝庫なのです。
まったく由来の違う二つの黄スミレが大雪山で隣り合わせになって同じ日に咲いているという自然の巡り合わせの奥深い不思議さを二枚の写真はきっちりと伝えています。
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