高山に咲く花
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高山に咲く花
著者:木原 浩 |
解説は日本の高山植物研究の第一人者、清水建美信州大学名誉教授。写真を担当したのは植物写真の第一人者、木原浩氏。「日本のスミレ」と同じく山渓ハンディ図鑑シリーズの一冊。
山と渓谷社のハンディ図鑑シリーズは花や果実、葉といった見分けのポイントとなる部分をクローズアップ写真で載せ、文章だけでなく写真を植物同定の参考に供しようという編集者の意図が共通したシリーズのようです。
先に出た「野に咲く花」、「山に咲く花」には残念ながら北海道のスミレはほとんど出てきません。この「高山に咲く花」でようやく以下の10種類が見られます。エゾタカネスミレ、フギレオオバキスミレ、エゾキスミレ、トカチキスミレ、ジンヨウキスミレ、シソバキスミレ、シレトコスミレ、ミヤマスミレ、アポイタチツボスミレ、タニマスミレ。
木原浩氏の写真は、図鑑としての構図的な制約の元でも、全体がとてもシャープで立体感があり、ラン科の写真などでは見ていて鳥肌がたつような感じのものさえあります。花や葉の部分写真もまたとても良いのです。
巻頭の「高山植物案内」p.2〜16は、高山植物の由来、核型多様性、分子系統地理、保護といった研究の最先端の話題がコンパクトにまとめられていてとても参考になります。
国内の分布地が詳しい、基準標本の産地、染色体数が載っているなど、後々まで有効に活用できそうな図鑑となっています。
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