知床の植物 I
![]() |
![]() |
知床の植物〈1〉
販売元:北海道新聞社 |
斜里町立知床博物館は、オホーツク海沿いのここから先は知床半島というその付け根のあたりに位置しています。
私は二度ほど訪ねたことがあります。この博物館で見つけた「郷土学習シリーズ」は小さなパンフレットですが中身が濃くて、私はお土産に何冊も買ってしまいました。1979年から継続的に出されていてもう20冊になっているようです。
最近はインターネットのホームページが非常に充実しています。特に私が気に入っているのは「知床博物館研究報告」の内容そのものをpdfで公開していることです(2003年度〜、それ以前については目次情報)。
家に居ながらにして、パソコンの画面に知床に関する研究をされた諸先生の論文を開くことが出来るのですから良い時代になりました。
その知床博物館が開館20周年を記念して1999年から発行を開始したのが「しれとこライブラリー」です。このシリーズははそのボリュームと質において全国的にもあまり例がないのではないでしょうか。
その6巻目として出されたのがこの本です。
知床のスミレについては7巻目の「知床の植物 II 」に紹介されていますので、この本にはあまり出てきません。全体を通してシレトコスミレ(写真)、チシマウスバスミレ(写真)、ウスバスミレ(写真)、ミヤマスミレ、アイヌタチツボスミレ、スミレ、タニマスミレの7種のみです。
注目は「知床硫黄山とシレトコスミレ」。この章の執筆者、植木玲一さんは地元斜里高校の先生をされている方です。
登山道沿いに見られる高山植物たちとシレトコスミレについて、すばらしい写真を交えて18頁にも渡って紹介しています。
まだ硫黄山に行ったことのない私の頭の中にも全体の環境と、あまりにも小さいシレトコスミレのその可憐な咲き姿のイメージがくっきりと浮かんできます。
シレトコスミレは北海道の高山植物研究の第一人者、佐藤謙先生による「知床の植物「概説」」と「高山植物」の二つの章にも研究史や植物相のなかで取り上げられ、知床博物館学芸員の内田暁友さんの二枚の写真が雰囲気を良く伝えています。
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント